フランスの貴族

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フランスは勿論のこと、ヨーロッパの名門と呼ばれる貴族は、一族の血縁関係を重視しています。それは、単純に言えば王族と血縁関係にあるかどうかということです。血縁を重視しすぎたせいで、血が濃くなりすぎていることも貴族、名門と呼ばれる家系の特徴の一つです。元々のヨーロッパの成り立ち自体が、ある王族の親族をあちこちに配置したものであり、いくら国が違えど元をたどって行けば、同じところに辿り着いてしまいます。特にフランスというのは、ヨーロッパの原点ともいえるフランク王国の流れを如実にくんでいる国ですから、こうした特徴はより顕著に表れています。中世の名門家系、特に王に所縁がある家柄というのは、その一族に遺伝される病気というものがあります。劣性遺伝か優性遺伝かで、同じ兄弟でも全く違う人格を持った人間に育ってしまったというのは、よく聞く話です。王族が早死にするというのも良く聞く話です。それだけ治世というのは、難しいことなのでしょう。国を担うというのは、権力、財力、兵力、知力すべてを兼ね備えていなければならず、その為に名門同士の交配が繰り返されてきたのです。優秀な王もいれば残忍な王もいます。現在とは違って、力がすべての時代において例え一か八かでも国に必要な人間を作り出さなければならない苦悩も窺い知ることができます。ヨーロッパの歴史とは、そういった歴史です。人民を統治するというこは、それだけ難しいことだったのです。フランス王家の遺伝病は現在にまで続いています。1000年を超える統治の裏側で、彼らは自分たちの宿命とたたかってきました。だから今なお、国民に愛されているのかもしれません。

名門

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フランス人は名前を見れば、名門の出かどうかがわかると言われている。たとえば、フランス語で定冠詞と言うものがある。日本語にはない概念であるのだが、単語の前にle(男性名詞)、la(女性名詞)、les(複数形)と言うものをつける。英語で言うtheみたいなものである。これが名前についている人がいる。たとえばle・dimnaのような苗字である。このような名前の人は元々貴族の名門の出であると言われる。フランス人の生活はシンプルである。日本人のようにブランド物を持って着飾ると言うことはあまりしない。しかし、それは普通の庶民の話である。名門のお金持ちの家出身だとそれに限らない。たとえば、フランスは公立の学校を選んだ場合、幼稚園から大学まで学費がかからない。しかしお金持ちの家だと、幼稚園から私立の学校に行かせる場合が多い。フランスの学校は自由なのだが、私立の学校の場合、子供に対してのフォローがしっかりしており、日本の学校に近いようだ。フランスでは公立の大学の場合授業料がかからず、日本のように入学試験もないので、どこでも希望したところに入れる。しかし、エリート校であるといわれるグランゼコールはそれに限らない。入るために難しい試験をパスしなければならず、それにパスするための予備校もある。また公立の大学と違って授業料も高いため、なかなか入るのが難しい。ただ、その学校出身だと大企業に入りやすかったりする。また政治家はそこの出身が多い。

教育費

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フランスは幼稚園から大学まで公立の学校を選んだら授業料がかからない。普通の家庭出身のフランス人はそういう学校に通うが、名門な家出身のフランス人は幼稚園から私立の学校に通うことが多い。私立の学校はカトリックだったりして、親もその学校を出てる名門の家出身だったりするので、その人たちの結束力はとても固い。週末はミサに通い、学校で顔を合わすとそのような話をするばかりなのである。勿論私立の学校に来る名門の家庭出身じゃない人もいるのだが、そういう人はその輪に入りづらかったりする。フランス人は見た目に気を使わずシンプルな服装が多いが、家がきちんとしている人は、その中でも見た目に気を使っていいものを身につけていたりする。私立だと言うと、高い授業を払うと思いがちである。しかし、フランスの授業料は日本と比べて格段に安いのである。日本も私立の幼稚園だと世帯収入によって授業料が変わって来る。フランスもそうなのであるが、日本で毎月何万円と言う額を払うが、フランスでは一年で何万円単位なのだ。また、フランスでは大学も公立を目指した場合は授業料はかからないが、私立の学校に通う頭の良い学生は、エリート学校であるグランゼコールを目指す。グランゼコールはジャンルによって沢山の学校があるが、政治家だったり大企業で働いている人はそこの出身が多い。普通の公立の大学に入る場合は、日本のように試験を受けなくても誰でも入れる。しかしグランゼコールの場合は授業料も高いし、入るのが難しいので、そのための学校に通って試験合格を目指すのである。

王族

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フランス人にとって名門の学校と言えば、パリ大学やソルボンヌ大学など色々あるが、日本人にとって最もなじみのある名門学校は、料理学校の名門、ル・コルドン・ブルーではないだろうか。ル・コルドン・ブルーは料理ジャーナリストのマダム・ディステルが設立した。マダム・ディステルは自らの刊行する料理雑誌で、有名なシェフたちの料理について、レシピはもちろん、材料の選び方、正しい料理の技法、その料理にまつわる歴史やいわれ等も含めて精力的に紹介した。この雑誌は大評判となったため、その読者がシェフの技術を間近に見られる機会を設けようと、パレ・ロワイヤルの一角で開催した料理デモンストレーションが、ル・コルドン・ブルーの始まりとなるのである。1895年のことであった。料理学校ル・コルドン・ブルーの名はまたたく間に世界に知れ渡り、フランス人だけでなく、世界中から生徒を受け入れるようになる。1954年には、オードリー・ヘップバーン主演の映画「麗しのサブリナ」で、「世界一の料理学校」としてル・コルドン・ブルーがその舞台となり、フランスのエスプリを象徴するまでに至るのである。今ではル・コルドン・ブルーは世界に30余りの学校を持ち、20,000人以上の生徒を有する、料理教育における世界的なリーダーに発展した。日本では代官山校と神戸校の2校が設置されている。日本のル・コルドン・ブルーでは、本格的に料理を学ぶコースのほか、可外需病として数回の講義を行うパン作りや製菓のコースがあり、名門ながら身近に感じられる学校だ。料理を愛する人は一度その門をたたいてみてはいかがだろうか。